2004年公開
監督:デヴィッド・トゥーヒー
主演:ヴィン・ディーゼル
あらすじ
銀河全体を支配しようとするロード・マーシャル率いる狂信的集団ネクロモンガーが武力と恐怖の力で星を次々と破壊し統治していく。はるかな暗黒の未来、氷の惑星で本能の命じるまま戦い続けるリディックはクールだが生きるためなら獣と化す。20件以上の超A級犯罪で5つの惑星から指名手配を受け、懸賞金がかけられ、トゥームズ率いる賞金稼ぎたちに執拗に追われていたリディックは、旧知のイマムが住むヘリオン星系・ヘリオン第一惑星へ飛ぶ。エーテル状の生命体エレメンタル族の預言者エアリオンは、リディックがロード・マーシャルによって撲滅されたヒューリア人の生き残りだと信じて探していたのだった…
”リディック”というキャラクターで成り立っている映画
凶悪犯罪者リディックの活躍を描いたSF映画。同監督による2000年公開のSF映画「ピッチブラック」の続編。
壮大なスペースオペラであり、魔術のような神秘的な要素もある。
が、正直薄っぺらい。ビジュアルも脚本もB級SF感が拭えない。スターウォーズ的アナログな近未来感を出してるが、メカニックとか装備品は魅力を感じるものがない。スターウォーズやデューンと比べてしまうとだいぶ見劣りしてしまう。
ストーリーも単純そうに見えて所々ややこしかったり、リディックの目的がちょっと見えてこなかったりと終始モヤモヤした。
演じたヴィン・ディーゼルの演技も相まって、どの場面においても抜群の存在感を放っている。
スキンヘッドにゴーグル、黒のタンクトップに両手ナイフ装備が抜群にかっこいい。知っている人が「リディック」と聞けばすぐにビジュアルを連想できる。
あとヴィン・ディーゼル声もかっこいい。独特のしわがれた低い声はずっと聴いてられる。普段は落ち着いたトーンなのに、叫ぶと迫力満点なのもいい。
何より一番気に入ってるのが、彼のヒーロー性だ。
リディックは作中や煽り文で、凶悪犯罪者、悪魔、アンチヒーロー呼ばわりされているが、作中では
- 前作で助けた人物に迷惑かけないよう雲隠れする(しかも友人と呼んでいる)
- (理由があったとはいえ)友人のせいで騒動に巻き込まれても殺そうとはしない
- それどころか襲撃から友人の家族を逃がそうとする
- さらに危険を顧みず敵の前に現れ、殺された友人の仇を討つ
- 前作で助けた子供キーラのために銀河一過酷な刑務所に向かう
- キーラから離れたことに罪悪感を持っている
- 刑務所内の凶暴な番犬?を手懐ける
- 「俺についてこないと監獄で死ぬぞ?」と関係のない他の囚人に言う
- ついてきた囚人たちに手を差し伸べ、一緒に逃げる
といった、凶悪犯罪者とは名ばかりのヒーローっぷりを見せつけている。
まあ他者に冷たくそっけない態度をとり、敵は容赦無く殺すけども。邪悪な存在では決してない。むしろリディックのアウトローな部分は、彼以上の悪党・外道の前でしか出ないから、悪ってイメージが全然湧かない。若干ヒーロー寄りのダークヒーロー?みたいな?
叫ぶシーンなど、冷静に見えて激情家の部分があるのもリディックの魅力の一つ。
だからこそ惜しい。勿体無い。
脚本がもう少ししっかりしてれば、今よりももっと人気の出るシリーズになってたと思うんだ。壮大なスペースオペラもいいが、DCのようなシリアスでダークなSFにしてくれてたら個人的に嬉しかったかも。
立ち位置があまりにもベネ・ゲセリットすぎないかなあ…
総評…内容はイマイチ…でもリディックがかっこいい!他作品のヒーローに負けてない!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
明日も23時ごろに投稿予定!
ではまた〜ノシ