2024年公開
監督:ジョージ・ミラー
主演:アニャ・テイラー=ジョイ
あらすじ
世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む…
※ネタバレ注意
ある意味原点回帰とも言えるマッドマックスのスピンオフ
前作「怒りのデス・ロード」にて登場した、女大隊長フュリオサの若き日の活躍と復讐劇を描いたアクション映画。
思えば初代マッドマックスも「家族を殺され、復讐のためにモンスターマシンを駆る」というストーリーだ。偶然か意図したかは不明だが、マックス、フュリオサ双方の始まりが復讐劇という部分に運命的なものを感じた。
ストーリーでちょっと引っかかったのがフュリオサの左腕。
本編だと、ディメンタスから逃げ出すために負傷していた左腕を自ら切り落としたんだけど、フュリオサの左腕ってジョーの怒りを買って切り落とされたんじゃないの?
Wikipediaだと、デスロード映画パンフレットにそう記載されてたっぽいけどガセなの?それとも元々設定が曖昧?まあどっちでもいいけど、そんな事前知識で映画見ちゃったから少々混乱した。
怒りのデスロードと比べると、スピード感はやや遅め。思ったよりじっくりフュリオサの成長を描いてるなと思った。それと世界観の描写にも力を入れていた感じ。
唯一気に食わなかったのが、最後のディメンタスとのやり取りだ。無駄なセリフが少ないマッドマックスにおいて、このシーンが断長で退屈に思えてならなかった。カタルシスが損なわれてる。ダラダラやらずにスパッと決着つけてほしかった。初代のように。
ただフュリオサとディメンタスが対面するカットは美しかった。
今作も変わらずウォータンクでのカーチェイスが面白い!
特にオクトボス率いる空挺部隊の活躍がよかった。あのプロペラがずっと気になってた。こういう気になる謎ギミックやオブジェもマッドマックスの醍醐味。
今作のウォータンクは第1世代だけあって銀色で綺麗な外観。2本のアームがかっこいい。
そして目玉となる秘密兵器ボミーノッカー!くだらねえ兵器…変な場所に鉄球ぶら下げてるから、まさかそれだったとはね。
こういう気になる謎ギミックやオブジェもマッドマックスの醍醐味(2回目)
今回、シタデルの他に弾薬畑、ガスタウンという拠点が登場。一気に世界観が広がってワクワクした。「緑の地」も少しだけ全貌が見られてよかった。それが後々あんな土地になっちゃうんだから、フュリオサの慟哭も無理ないよな。
アニャ・テイラー=ジョイが演じた主人公フュリオサ
性格は基本的に前作とそう変わらない。冷静で勇敢な戦士。シャーリーズ・セロンと比べると、アニャのフュリオサはやや目が大きめ。でもそれがグリース塗った顔によく映えててグッド。
アリーラ・ブラウンが演じた少女時代のフュリオサ。めっさ可愛い。荒廃した世界観も相まって可愛さが際立ってる。
話逸れるが、リクタスが彼女を部屋から連れ去るシーン、ほとんど説明もないのにリクタスの意図がわかる描写がスマートでよかった。…これ子産み女いなくなって問題にならなかったんだろうか?
クリス・ヘムズワースが演じたディメンタス
いやまず、クリヘムの容貌が世界観に合いすぎ。もう公開前のトレーラーで笑っちゃったもの。
で、蓋を開けてみたらそこそこカリスマはあるけど、イモータン・ジョーの存在が凄すぎて、どうしても三下悪党感が拭えなかった。並んで映るカットとかどう見ても負けてる。ただジョーと比べて、無秩序で子供じみた残虐さがあるのは好対照で良かったかも。でもフュリオサから逃げられるシーンが間抜けすぎる。
乗り物に乗ってる姿が可愛い。チャリオットとかいう絶妙に頭悪そうな乗り物も可愛い。髭面にクマのぬいぐるみが可愛い。ビニールシートみたいなマントも可愛い。走り方も可愛い。つまりクリヘムが可愛い。
トム・バークが演じた警備隊長ジャック
性格も役割もほとんど前作のマックスだった。相変わらず細かい説明はないため最後まで謎だったキャラだが、妙に存在感はあった。
オクトボス戦後の荒野で話し合うカットが素晴らしい。
そして本作も変わらず、ウォーボーイズが楽しそうでなによりだったよ。キャッキャ言いながら、意気揚々と自爆してゆく様を見てると、こっちも笑顔になってくるよ。
あとしれっと登場してんじゃねーよマックス。トム・ハーディじゃねーのかよマックス。
総評…爽快感はデスロードより控えめ。だがアクションは安定して最高峰!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた明日〜ノシ