2023年公開
監督:アルベルト・ピント
主演:アンナ・カスティーリョ
あらすじ
崩壊した国から逃げるため、妊婦のミアはコンテナに乗り込むが激しい嵐で海に放り出され漂流することに…
ネタバレ注意
妊婦による絶望的状況下でのサバイバル
本作は「キャスト・アウェイ」のような漂流サバイバルものだが、絶望度は遥かにこちらの方が上。
海を漂流するコンテナの中で妊婦がサバイバルをする映画。
資源不足のために妊婦や子供が殺されるディストピア的世界での話で、主人公ミアは夫のニコや迫害を逃れる人々とともにコンテナに密航して亡命しようとする。結構ハードな展開で驚いた。
その後、なんだかんだあってミアだけになったコンテナは貨物船に載せられる、しかし嵐によってコンテナは海に流されてしまう…という流れ。
漂流するまでが少々長かったが、タイトルの「ノーウェア」を考えると、ある意味必要な場面とも言える。それにしてもノーウェア社って結構ひどい名前だな。
揺れ動くコンテナ内で母体がそこかしこにぶつかりまくって、観てるこっちとしては気が気じゃなかった。
出産シーン。
うーん、正直途中で産んでほしくはなかったかな。「漂流する妊婦」という図が絶望感を煽っていたのに、途中で出産(しかも割と無事に)したから、そこで一つ安心感ができたというか、いつ生まれるかわからない緊迫感が消えて残念だった。
あれだけお腹大きかったら仕方がないかもしれないけど…せめて後半のハイライトに持ってきて欲しかったかなあ。まあ一番いいのは無事救助されてからの、病院で出産エンドなんだけどさ。
とか書きつつも、生まれてきたノア(赤ん坊)のために切磋琢磨するミアの姿はよかった。身近にいる存在で、生きようとする意志を持ち続ける図は美しいし、違和感なく主人公を動かしている。感情に任せて怒鳴ったり、水がなくなり一瞬海水を飲もうとする精神的疲弊を描いているのもよい。
画がコンテナの中か外かに限定される、危機的状況→打開というパターンから人によっては退屈に思える映画かもしれない。コンテナ内の物資を工夫して道具にする場面は面白いが、パターンゆえに面白みもだんだん薄れていった。
ツッコミどころは多々あるが、中でも携帯のくだりは一番気になった。ニコに繋がったなら、911連呼すれば良かったのでは…
主演アンナ・カスティーリョの演技が凄まじすぎる。
生々しくも力強い演技。口から漏れる嗚咽一つとっても緊迫感があって素晴らしかった。「No No No No No …」の連呼が可愛らしい。
総評…アンナ・カスティーリョの力強い演技に引き込まれるサバイバル映画
最後まで読んでいただきありがとうございました!
明日も23時ごろに投稿予定!
ではまた〜ノシ