1975年公開
監督:スティーヴン・スピルバーグ
主演:ロイ・シャイダー
あらすじ
アメリカ東海岸に位置する穏やかな町・アミティ島。ある夕暮れ、ビーチパーティに参加していた若い女性クリッシーが1人で薄暗い海に入って泳いでいると、突然、何かによって水中に引き込まれ行方不明となる。
翌朝、ニューヨーク市警からアミティに赴任してきて間もない警察署長のマーティン・ブロディは、浜辺にクリッシーの死体の一部が打ち上げられたと連絡を受ける…
サメ映画の原点にして頂点
「サメ映画」というジャンルを築いた偉大な作品。これがなければ、メカやゾンビや竜巻に乗ってくるアホなサメ映画なんて生まれなかった。
だが「サメ映画のオススメは?」って聞かれたら、ベタでもネタでもなく、マジでジョーズと答えるだろう。
ビーチに出没した巨大な人喰いサメを退治するという、シンプルなストーリー。
今見ても全然怖い。公開から50年くらい経ってるのに、全く色褪せない。
サメ映画のパイオニアってのもあるが、ひとえに撮り方や演出が上手いのだと思う。
撮影時のトラブルで機械仕掛けのサメがあまり出せなかったことにより、存在を仄めかす演出というのがもう大当たり。恐ろしいのはサメそのものではなく、サメがいるというシチュエーションなのだ。見る側が共感するのはそこだから。
たしかリドリー・スコット監督作の「エイリアン」も直接的ではなく、存在を仄めかすような恐怖だったと思う。
この作り物のサメがまた素晴らしい。作り物ゆえに生気を感じず、まさに劇中の、血も涙もない恐ろしいモンスターに見えたからだ。クイントの語りもサメの恐ろしさに拍車をかけていた。
サメの全貌が見られるのはだいぶ後からだが、その分インパクトが大きかった。
1番好きな場面は、文句を垂れつつ魚の切り身を投げてるブロディの後ろからサメが現れるところ。不意打ちにも程がある現れ方で、ブロディを演じたロイ・シャイダーの反応も素晴らしかった。
浜辺で監視するブロディの横顔、オルカ号の舳先で海を背に立つクイント、アップショットでカメラ目線で睨むフーパーなど、何気に印象的な画が多かったように思う。
極め付けはジョーズのテーマ。作曲はスターウォーズで有名な作曲家ジョン・ウィリアムズ。素晴らしい。このテーマ流れただけで見えない恐ろしさが伝わってくる。本当に素晴らしい!
海に精通したクイントとフーパーが戦果を上げられず、海が苦手でほとんど足手纏いだったブロディが、サメを対峙するという図が皮肉が効いてて面白かった。