またデニーロかよっ!?

主にネトフリとアマプラ映画の感想駄文

処刑人

処刑人

1999年公開
監督:トロイ・ダフィー
主演:ウィレム・デフォー

 

 

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あらすじ
 ボストンの裏路地に住む双子マーフィー・マクマナスとコナー・マクマナスは、敬虔なカトリック教徒である。
 二人はあることがきっかけでロシアン・マフィア達と大喧嘩。翌日二人の住居に乗り込んできたロシアン・マフィア達を返り討ちにし、殺害してしまう。
 FBIのスメッカー捜査官は取り調べの結果、正当防衛を認めるも、彼らを英雄視するマスコミの目を逸らすために、二人を拘置所に泊まらせる。
 その深夜、拘置所で眠っていた二人は同時に同じ「神の啓示」を受ける。「悪人は殺しても構わない」というその啓示に従い、警察から釈放された二人はボストンの町を悪行から守るべく、次々と街の悪人を殺害して行く。(Wikipediaより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 え

 処刑人なのに

 素人なの!?

 

 

 あらすじにもある通り、主人公のマクマナス兄弟は神の啓示に従い、街の悪党を次々と殺してゆく。

 

 視聴して私がすごく引っかかったのが、マクマナス兄弟が殺しの素人という点だ。

 

 なぜ最初から殺しのプロという設定にしない?

 

 「神の啓示を受けて悪党を殺す」というダークヒーロー属性があるにも関わらず、ノリがそこいらのチンピラだったり、ビギナーズラックで殺しを成功させたり、なんか余計なやつが兄弟の仕事にしゃしゃり出てきたりで、イマイチ爽快感を感じない。

 

 というか「使命感」を感じないんだな。そのせいで決め台詞も全然響かない。

 

 これが最初から殺しのプロだったら、単純明快で全編スリルのあるダークヒーローものになるし、ウィレム・デフォー演じるスメッカーの推理が何億倍も格好いいものになると、個人的には思うが…

 

 これが兄弟の「成長もの」だったらまだ設定が活きれたかもだが、生憎その要素も感じられなかった。

 

  それと悪党側のバックグラウンドも薄過ぎる。ただただなんとなく出てきて殺されてる感があった。

  

 主人公側の殺しと、警察側の推理パートで別れる演出は良かった。特にイル・ドゥーチェ戦後の推理パートが非常に面白かった。マクマナス兄弟よりウィレム・デフォー演じるスメッカーの方がキャラが立ってた。デフォーの怪演っぷりがすごい。特に終盤の演技。

 

 この映画で1番気に食わないのが猫が殺されるシーンだ。しかも興奮してついうっかりで肉塊にしたという。許すまじ

 

 総評…中途半端なダークヒーローもの

羊たちの沈黙

羊たちの沈黙

 

 1991年公開

 監督:ジョナサン・デミ

 主演:ジョディ・フォスターアンソニー・ホプキンス

 

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(アマプラ)

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CHQGC7JY/ref=atv_dp_share_cu_r

 

あらすじ
 カンザスシティをはじめとしたアメリカ各地で、若い女性を被害者とする連続猟奇殺人事件が発生。川へ遺棄された遺体から皮膚が剥ぎ取られていたことから犯人は「バッファロー・ビル」と呼ばれた。
 FBIアカデミーの実習生クラリススターリングは、著名な元精神科医で連続猟奇殺人を犯した囚人ハンニバル・レクターに事件に関する助言を求めるため、レクターの収監されているボルティモアの州立精神病院に向かう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 顔が近い

 

 気になったのがクラリスとレクターの最初の対話シーンで互いに顔がアップで映ったということ。
 クローズアップ・ショット──画面に対しての人物占有面積が大きいほど主観的に映る、つまりのその人の感情や内面が強く出ていることを表す。

 

 ジョディ・フォスター演じるクラリスの不安、恐怖、トラウマといった感情。アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクターの知的で冷静であり、底知れぬ恐ろしさ。

 

  お互い顔のアップでほとんど動きがないにも関わらず、お互いの心の内を窺い知れたような気がした。1番緊迫したシーンかもしれない。

 

 分かってはいたが陰惨なシーンは多め。警官の皮を被っての脱出は度肝抜かれた。まあそれでもグロさはハンニバルの方が上かも。
 

 レクターとバッファロー・ビルとのバランスが絶妙だった。レクターがラスボスのビルを食うことなく、それでいて存在感抜群で活躍もするという。

 

 あとプレシャスが生きてて良かった。動物死ぬのは耐えられないからね…

 

 総評…演者の表情に注目するとより楽しめる作品。ちょっとグロい

 

セブン

セブン

 1995年公開
 監督:デヴィッド・フィンチャー
 主演:ブラッド・ピット

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あらすじ
 退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事ウィリアム・サマセットと、血気盛んな新人刑事デビッド・ミルズは、ある死体発見現場に急行した。死体は信じられないほど肥満した男であり、銃で脅されながら食事を強制されていたことが判明し、殺人事件と断定される。
 次の被害者は強欲な弁護士のグールドであり、彼は高級オフィスビルの自室で血まみれになって殺されていた。死体はちょうど贅肉の部分を1ポンド分切り落とされており、状況から犯人は2日かけて、被害者にどこの肉を切るか選ばせていたと推定された。現場には被害者の血で「GREED(強欲)」の文字が残されていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界観の作り方が素晴らしい映画

 

 昔観た作品だが、記憶朧げだったため再視聴。

 だが唯一あのラストだけは覚えていた。それほどまでに衝撃的な結末。

 初見でサスペンス好きでついでにヤンチャなブラッド・ピットが好き❤️って人は今すぐ観るべき映画。

 

 改めて観て思ったのは、この作品の世界観の演出が素晴らしかったこと。

 ほぼ全ての屋外シーンで降り頻る雨。汚れた質感と影のコントラスト。ネームドからモブまで会話の節々に現れる無関心さと冷たさ。ハードコアパンクのようなフォント。そしてエンドロール。

 監督曰く「汚い、暴力、倫理の欠如といった、憂鬱にさせる表現。視覚的に、そして文体的に私たちはこの世界を描写したかった。できるだけ本物で、かつ生きるためには必要とされるものすべてを」とのこと。

 これくらい作り込まれた世界観があると楽しいよね。

 

 変な表現かもだが、この映画にはアメコミのような作られたフィクションさを感じた。ヴァーティゴあたりのね。こういうの大好きだよ。新たな発見があって観て良かった

 

 ブラッド・ピットが演じたミルズ。まさに主人公的血気盛んな奴。ちょっと融通効かなすぎるかな。しかしブラッド・ピットかっこよすぎ。

 

 安定のモーガン・フリーマン。この人いるだけで安心感がやばい。演じたサマセットは知的で落ち着いた奴だがどこか冷たい雰囲気を持ってて、氏が演じた役の中では結構新鮮だったかも。

 

 総評…ちょっとエグい描写もあるが、初見であれば一度は観てほしい傑作

REBEL MOON: パート2 傷跡を刻む者

REBEL MOON: パート2 傷跡を刻む者

 

 2024年公開

 監督:ザック・スナイダー

 主演:ソフィア・ブテラ

 

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ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザック・スナイダー

 七人の侍

 SFバージョン

 

 

 待望の新作、REBEL MOONパート2を早速視聴。

 

 前作で、仲間を集めた主人公コラは、マザーワールドから村を守るために仲間たちと最後の決戦を迎える。

 

 「七人の侍からインスパイアを受けた」とのことでパート2は似たような展開になってるんだけど、正直この要素要らなかったんじゃないかな…仲間たちと一緒に宇宙を冒険してマザーワールドぶっ潰す、で良かったと思うんだ

 

 というのも今作は全て同じ惑星の村の中での戦いがメインになってしまっているからだ。

 前作あれだけ広大な宇宙を冒険して、エイリアンやら不思議な生き物やら、異星文明やらを映してきたのに、今作ではそれが殆どなく、終始同じような絵しか映らない村での戦いに重点を置かれているからだ。

 違う。観たいのは、望んでるのはそこじゃないんだ。広大な宇宙なんだ。

 

 前回集められた仲間たちも活躍するんだけど、大体タイタス将軍ぐらいしか活躍してない。時点で戦車潰したミリアスぐらいか?

 ネメシスは活躍シーン短い!なんでさ!もっと大暴れしてほしかったのに。そしてタラクは目立った戦果あげてない。

 ブラッドアックス(姉)は来るの遅いよ!ドッグファイトもっと見せてよ!ついでにジェームズも出番が遅すぎる。

 

 逆にガンナーは美味しいとこばっかあったな。でも退場かー悲しい…

 

 前作に引き続きラスボスのノーブル君。今回はあんま魅力感じなかったな。執念の復活を遂げた割には、期待以上の行動をしてたわけでもなく、普通に倒された。前回のはなんだったんだよ…

 

 ザック・スナイダー監督。

 まさかこれで終わりじゃないよね?

 まだ風呂敷広げっぱなしだぞ!伏線殆ど回収してないぞ!

 真のラスボスも倒してないし!姫もどうなったかわかんないし!

 前作でタラクが乗り回したヒポグリフみたいな生き物あれで出番終わりなのかよ!?

 頼む続編出してくれ!消化不良すぎるぞ!

 

 総評…正直今作はイマイチだった!が、ポテンシャルはありまくってるから続編出してくれ!

REBEL MOON: パート1 炎の子

REBEL MOON: パート1 炎の子

 

 2023年公開

 監督:ザック・スナイダー

 主演:ソフィア・ブテラ

 

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 あらすじ
 征服と戦争により宇宙の広大な領域レルムを支配する帝国マザーワールドは、王と女王が暗殺された後に摂政バリサリウスにより統治される。マザーワールドの軍隊インペリウムのアティカス・ノーブル提督は反乱者の姉弟デヴラ・ブラッドアックスおよびダリアン・ブラッドアックスを捜索する途中、衛星ヴェルトで食料を求める。村長のシンドリは断るも、監督者のガンナーは多少の余裕はあると答える。ノーブルはシンドリを殺し、10週間後に、村が飢えるほどの量の食料を取りに戻ると宣言し、部隊を残して去る。コラはインペリウムが村人を皆殺しにすると恐れ、反逆するための味方を求めてガンナーと共に村を旅立つ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザック・スナイダー

 スターウォーズ

 

 

 監督が構想に20年をかけた一大スペースオペラ

 監督自身が「ザック・スナイダー版のスターウォーズと評されるだろう」と公言するほどにスターウォーズの影響が諸に見てとれる。

 

 スターウォーズ好きとしては、かなりハマった映画。字幕・吹き替え含めて計三度視聴。個人的に「俺が作ったスターウォーズ」って映画はもっと出てくるべきだ。

 

 ストーリーは至ってシンプル。帝国(マザーワールド)から反逆するために仲間を集めて打倒するというもの。この仲間たちが個性派揃いで見てて楽しかった。

 個性派揃いなだけに、仲間になるシーンがかなり淡白だったのが残念だった。ぶっちゃけ一人一人スピンオフで作品できるくらい個性的だった。

 

 その中でも、ミキール・ハースマンが演じたガンナーの活躍が良かった。戦闘技術も特殊能力もないただの農民である彼が、終盤で仲間たちの危機を救ったシーンはとても印象に残った。力のないものが一発逆転をするって展開はやっぱ見てて気持ちがいい。

 

 宇宙船や武器、メカニックの意匠がカッコいい。主人公コラの使う銃や女剣士ネメシスの使うヒートソード?とか。

 虫みたいな拘束具の挙動が面白い

 

 メインヴィランのノーブル提督。典型的な暴君で不気味なやつだったが、ワイシャツネクタイ姿で出てきた時はちょっと笑った。なんか世界観が違うというか

 吹き替えが神谷浩史さんだからイケメンボイス。何気に吹き替えが結構豪華だったりする。

 

 世界観が壮大すぎて本当にパート2で終わるのって思ってしまう。ディレクターズ・カット版が出るとかなんとか聞いたような気はするが…ホントだろうか?

 

 総評…スターウォーズやDUNEが好きって人は絶対に観たほうがいい!

グリーンブック

グリーンブック

 2018年公開
 監督:ピーター・ファラリー
 主演:ヴィゴ・モーテンセン、マハージャラ・アリ

 

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 あらすじ
 舞台は1962年のアメリカ。ジム・クロウ法の真っただ中、トニー・“リップ”・ヴァレロンガは、アフリカ系アメリカ人のクラシック系ピアニスト、ドン・シャーリーと共にアメリカ中西部とディープサウスを回る8週間のコンサートツアーに出発する。 ドンのレコードレーベルの担当者は、アフリカ系アメリカ人の旅行者がモーテル、レストラン、給油所を見つけるためのガイドである「グリーンブック」1冊をトニーに提供する…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴィゴ・モーテンセン

 とにかく何かを食ってる映画

 

 

 ジャマイカアメリカ人ピアニスト、ドン・シャーリーとイタリア系アメリカ人の運転手兼用心棒、トニー・ヴァレロンガの二人によるアメリカ最南部のコンサートツアーを基にした伝記ヒューマン映画。

 

 知らない世界で生きてきた物同士が、長い間一緒に過ごす内に、互いの心境に変化が生じる。最初と最後でどのように変わったのか。

 本作のような「バディもの」の映画で楽しむのはここだ。そしてこの映画はルールに沿ってそれが描かれた。ラストシーンで二人の変化が見てとれた、それだけでこの映画は十分素晴らしい。

 

 ヴィゴ演じるトニーは、粗野で乱暴だが、面倒見も良く頼りになる好漢。

マハージャラ演じるドンは、理知的で神経質、孤独を感じ、いつもむっつりとした表情を浮かべている。だからこそ笑顔を見せるとこっちも笑顔になってしまう。

 

 意外とコメディ的で笑える箇所があった。フライドチキンの骨を車の窓から捨ててお互い笑い合うシーン(この後、一気に空気が冷える)とドンがトニーに手紙の書き方を教えるシーン。いちいち誤字の訂正をするドンが面白い。

 「飛行機?」「…草原だ」

 

 ヴィゴ・モーテンセンがとにかく何かを食ってる映画(2回目)

 ホットドッグだったりフライドチキンだったりピザだったり不味いチーズだったり

とにかくもっちゃもっちゃ豪快に食べてる。とてもアラゴルンを演じてた俳優さんとは思えんほどの恰幅の良さ。

 

 総評…センシティブな内容の映画だが、笑えて楽しめる描写もあり、気軽に観られる良作

DUNE/デューン 砂の惑星 PART2

DUNE/デューン 砂の惑星 PART2

 

2024年公開

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

主演:ティモシー・シャラメ

 

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 これより先ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これはすごい

 前作はあくまで導入部分だったのがよくわかった。

 

 「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督は、今作を「スターウォーズ」で例えると「帝国の逆襲」だと思う。と、語ったそうだが、個人的には「シスの復讐」だと思った。終盤の覚醒したポールはかなり暗黒面に堕ちたアナキン味がある。ジェシカもどんどん悪の教母みたいになってくし…

 

 一番、目を惹いた場面はフェイド・ラウサのお誕生日会。ジエデイ・プライムのモノクロのような世界観が、それまで主舞台だったアラキスと対象的で非常に新鮮だった。なんか墨ぶちまけたような花火?もよかった。

 

 フェイド・ラウサ。こいつが超カッコいい。冷めた表情がいい

 イカれた戦闘狂かと思いきや、意外に冷静で強か。野心もあり、性交に弱い。キャラが立ちまくってた分、終盤で死んじゃうのは勿体無いと思った。

 演じたのはオースティン・バトラー。「エルヴィス」でエルヴィスを演じた役者さんなのね。

 

 ラッバーン君…終始愚か者ムーヴかましてて哀れだった。でもなんかこいつ好き

 

 ガーニイ生きてて良かった!そして今作でも死ななくて良かった!師匠キャラが死ぬのは観てて辛いのよ。ダンカンは…やっぱりあの時死んじゃったのか

 

 皇帝を演じたのはクリストファー・ウォーケン!…なんだけど、ビジュアルに華が無いというか、ハルコンネンどもと一緒に映るとどうしても地味な印象があった。あいつらがビジュアル的にキワモノすぎるってのもあるけど

 

 パート3の制作が決まったらしいけど納得だ。これで終わらせるのはちょっと消化不良すぎる。期待するしかない。

 

 

 総評…無駄描写もなくテンポよく、それでいて山谷がはっきりした展開があり、終盤の帝国との決戦というハイライトもあり、大満足の内容だった。